2021年は「NFT元年」とも呼ばれており、日本のイラストレーターのNFTアート作品が何百万円で売れたニュースを目にしたり、楽天やLINE、メルカリやmixiなどの大手企業もNFTマーケットプレイスに参入するなど、日本でもNFT市場は大きく広がりを見せています。
ただ、「NFT」という言葉自体は話題にはなっていますが、「NFTってそもそも何?」という方も多いのではないでしょうか。
ここでは、NFTについての理解を深めたい方のために「NFT」をわかりやすく解説します。
NFTとは
NFTは2017年9月に登場しました。主に仮想通貨イーサリアムのブロックチェーン上で構築されています。
NFT(Non Fungible Token=ノンファンジブル・トークン)の略称で、日本語訳をすると「非代替性トークン」となります。
ノンファンジブルは「非代替性」、つまり唯一無二という意味。
トークンは様々な意味合いがありますが、仮想通貨業界では既存のブロックチェーン技術を利用して発行された仮想通貨のことを指して「トークン」と呼びます。
つまり、NFT=非代替性トークンとは、ブロックチェーン技術を利用して、デジタルデータに識別情報を持たせ唯一性を持たせる技術で発行されたトークンのことです。
NFTは、画像・動画・音声など、複製可能なデジタルデータに所有権の証明を設けることで、そのデジタルデータに対して、希少性の価値が付与されるため、これまで複製が可能だったデジタルデータが「資産」となります。
NFTの特徴や仕組み
NFTは代替不可能なトークンですが、特徴としてが下記のようなものが挙げられます。
1:唯一性
NFTはデジタルデータに固有の識別情報や発行日時などのメタデータを持たせるため、複製をすることができません。美術館にあるアート作品と同じように世界に1つの作品となるのです。
2:取引が可能
NFTはトークンのため価値そのものを移転できます。購入したNFTを取引できることが、現在投資家に注目されて市場が盛り上がっている理由の1つです。
3:プログラマリティ
NFTはデジタルデータをマーケットプライスのプラットフォームを通して売買することができますが、販売時にデジタルデータに付加機能をデータ上にプログラムすることが可能です。
NFT作者は、このプログラマリティを利用することで、作品を所有していなくても二次流通時に売上のロイヤリティが振り込まれる仕組みを設定することが可能です。
日本のNFT市場について
NFTが注目され始めたのは2017年、カナダのNFTスタートアップ企業「Dapper Labs(ダッパー・ラブズ)」が開発した「CryptoKitties(クリプトキティーズ)」のブロックチェーンゲームが人気になりました。
CryptoKittiesは、可愛い猫のキャラクターを売買して仮想通貨ETH(イーサリアム)を稼ぐことができるゲームで、これまでゲームで1,000万円以上稼いだプレイヤーも存在しているほどです。
日本で注目され始めたのはそれから少し経った2020年頃、仮想通貨のプラットフォームが広がりはじめ2021年からはNFTアートなどに関するニュースを目にするようになりました。日本のイラストレーターがNFTアート1枚の作品が数百万円で販売されたということもあり、NFTアートへの参入者が増加して、「NFTアート」という認知度も一気に拡大しました。
ただ、2021年末の現時点では、市場が拡大する一方で、仮想通貨が環境に及ぼす懸念や投資対象である点など批判的な声も少なくない、というのが現状です。
そして、NFTが急拡大を遂げた日本国内では、NFTに関する法整備が追いついていない、というのも現状です。
NFTの将来性について
現在、日本でもNFTアートやNFTゲームという分野で活用され始めてきましたが、NFTが活用できるビジネス領域は相当広いと思いますし、仮想空間の中でお金を稼ぐ人も出てきているので、NFTアートやNFTゲームに限らず、新しい分野での活躍にも注目していきたいところです。
NFTのビジネスでは、NFTの特性でもある「唯一性」を活かした価値を見出すことが出来る分野が伸びてくると思います。
例えば、仮想空間の中で土地を売買したり、オンライン上でのライブ鑑賞やスポーツ観戦のチケット販売などにも活用されるのではないかと思います。
現在、当たり前に使っているSNSやYoutubeなど、10年前にはここまで流行ると想像できなかったように、NFTも急速に広がり、世界中の人に認知されていくことでしょう。
私もNFT市場の発展を願っている1人として、このサイトを通してNFT市場やNFTに参入する方々のために少しでもお役に慣れれば幸いです。