NFTアートを始めようと考えている方で、LINEスタンプを販売しているクリエイターの方もいると思います。
私はLINEスタンプを10種類ほど販売しているのですが、LINEスタンプで制作したイラストをNFTアートとして販売できないか?という疑問を抱いたため、同じ疑問を持ったクリエイターの方のために記事を書くことにしました。
この記事では、LINEスタンプ用に制作&販売した自作イラストをNFTアートとして販売して良いのかどうか、LINEスタンプの利用規約に基づいて説明いたします。
https://opensea.io/kurobox
結論:自作のLINEスタンプであればNFT販売OK
最初に結論から述べますが、オリジナルで制作したLINEスタンプであればNFTアートとして販売することは可能です。
NFTアートを出品したいけど、実際どうやったらいいんだろう?という方のために、私が実際にNFTアート出品をした経験を元に、わかりやすく手順をまとめてみました。 私は現在、OpenSeaで「kurobox」という名前で実際にNFTアートを販[…]
LINEスタンプとは
もはや説明不要のLINEスタンプについてですが、LINE株式会社が2014年5月にリリースし、今もなお人気の「LINE Creators Market(ラインクリエイターズマーケット)」で、世界中のLINEユーザーがLINEスタンプ・LINE着せかえ・LINE絵文字を制作・販売することができるプラットフォームです。
普段、皆さんが使っているLINEのスタンプは「公式」と「クリエイターズ」のどちらかから販売されているのですが、後者の「クリエイターズ」に関しては、クリエイターがイラストを制作・販売しており、クリエイターは売上の約35%の報酬をいただくことができます。
・LINE:手数料35%
・App Store または Google play:30%
LINEスタンプの著作権について
LINE Creators Marketの利用規約
LINEスタンプとして制作・販売した著作権についてですが、「LINE Creators Market利用規約」の8条「本コンテンツの作成および利用」に下記内容の規約が記載されています。
8.1. クリエイターは、本素材および本プログラム等を利用して本コンテンツを作成し、本コンテンツの配布について当社が行う審査を受けるために、当社が定める方法により当社に本コンテンツを提供することができます。当社は、クリエイターに対し、譲渡および再許諾できず、非独占的な、本サービスにおける本コンテンツの作成を唯一の目的とする本プログラム等の利用権を付与します。 本規約において明示的にクリエイターへ許諾される権利をのぞき、本プログラム等に関する全ての権利は当社または当社に利用を認めた権利者に帰属します。
LINE側としてはクリエイターが作成したイラストの利用権を許諾する形をとっており、著作権はクリエイターに帰属する、ということです。
もっと簡単にまとめると、オリジナルで制作したイラストをLINE社で使っていいですよ、という契約ですね。
つまり、LINEスタンプとして販売したイラストはクリエイターが他サービスで流用しても問題ない、ということです。
注意点:あくまで「自作」の作品だけに権利が帰属する点
1点注意しなければならないのが、LINE Creators Marketで行なっている「LINE Creators Collaboration」企画です。
以下がコラボ企画の例になります。
①はLINE Corporation、②は集英社に権利が帰属していますので、ご自身で制作したイラストであっても、コラボ企画で制作したものを自身のNFTアートとして販売することはできません。
また、NFTでは二次創作の作品が販売されていますが、マーケットプレイスが海外にあることや法整備が整っていないことで問題にはなっていませんが、二次創作での販売も権利侵害にあたるリスクが伴いますので注意しましょう。
まとめ:オリジナル作品はNFT販売OK
今回は、LINEスタンプとして販売したものを、NFTアートとしてマーケットプレイスへ販売(流用)して良いかどうか、という内容で記事をまとめてみました。
日本国内のクリエイターでLINEスタンプの販売経験がある方は多いと思います。
LINEスタンプはコミュニケーションを目的として制作されていることが多いので、NFTアートとして売れるかどうかは別ですが、権利上は販売できるという結論でした。
LINEスタンプをNFTアートへ展開したいと考えている方、LINEスタンプの権利周りで悩まれていた方の参考になれたら嬉しいです。